ロードバイクの組立作業には鬼門となる難しい作業が幾つかあります。その一つがコラムカットです
- 運転姿勢(ポジション)は体力や年齢と共に変化する
- カーボン素材を綺麗に切る工具は高価
上記が難しい理由です。今回は自分でコラムカットを実施したので、その内容を記載していきます
カット結果
最初に切断した断面を掲載します。DIYで切断したコラムです

利用した工具とケミカル
- ミニテーブルソ―
- 鉄ヤスリ(金属用)
- エポキシ接着剤

テーブルソーの良い所は、刃が薄いためカーボンのカスが少ない事と高速で回転する事によりバリが出ないことです。切断時間も2~3分で体力も使いません。T字型のガイドを利用することで真直ぐに切ることも出来ます。多少曲がった場合には、廃棄用のステムを付けて、鉄ヤスリで切り口を揃えてしまえば大丈夫です。綺麗に仕上がります。バリを取った後に、エポキシ接着剤を塗って完成です。接着剤を塗ることでカーボンのささくれを防ぎます。

久々の切断作業ですが上手に切れたと思います。
適切な長さ
余談ですが、空力特性を最大限に発揮する最新のフレームではハンドル、ステム、コラムが一体化しており、コラムカットの必要はありません。「ありません」と言うより「出来ません」と言った方が正しい表現だと思います。これらのフレームはサイズ選んだ時点でハンドルの高さが決まります。この高さのは日本仕様であれば、身長175㎝、体重60kgを基準に作られていると言われています。しかし、この体形はアスリートです。体脂肪10%以下で以下です。一般人の体形ではありません。175㎝、体脂肪20%以上の人が乗るフレームではありません。乗るには無理があるのです。お金があっても買ってはいけないフレームです。乗ると、お腹の肉は邪魔になるし、前傾姿勢で手は痛いし、腰も痛くなったりします。フレームは体形と体力に合ったものを選ぶ必要があります。
話を戻して、ヘッド回りが一体化していない一般のフレームなら幅広い体形に合わせることが出来ます。コラムを長くして前傾を緩くする事も、ステムを短くして腰を立てる事も出来ます。特に長距離を走るロードバイク乗りは、長時間同じポジションで走り続けることを避ける為、フレームのポジションに余裕を持たせることがあります。
ロードバイクを長期に渡り趣味としていれば、体重も変われば、柔軟性も変わって、走力も変わってきます。「前のフレームと同じポジションで!」と思ってもフレームによってハンガー下がりやハンガー上があります。サドルの位置は地上高では決まりません。ハンガー(クランクから距離)の位置で決まります。このサドル位置を基準にペダルとハンドルの位置が決まります。つまり、フレームのジオメトリが変わるとハンドルの高さも変わってコラムの長さを変わってくることになります。色んなことを追及していくと、コラムの適正な長は一生決まりません。
そこで、多くの人が取る方法は、最初のカットは適正と思われる長さより20㎜程度長くカットすることです。その状態でコラムスペーサーの位置を上下に調整し適切な長さを出して行き、最後に正しい位置で切断します。
私もこの方法で調整しており、このフレームでのコラムカットは2回目となります。
なにが言いたいのかと言えば、「コラムカットは切り過ぎない様に少しづつ何度も切る」ことが大切なのです
切断工具

コラムカットの道具を検索すると上記の2つが出てきます。カーボンコラムの場合パイプカッターは使えません。最悪カーボンコラムが潰れます。パイプカッターの切断方法は鋭利な先端で少しづつ潰していく事で切断します。素材が金属であれば有効な方法ですが、カーボン素材は旨く切ることが出来ません。
一般的には、切断ガイドを利用して鋸を使って切る人が多いと思います。しかし、切断面の出来栄えは鋸の質によって異なります。鋸の刃が細かければ細かいほど綺麗に切れます。簡単に言えば、手動の糸鋸より回転する丸鋸の方が綺麗に切れます。
大手ショップの切断は電動です。綺麗に切れます。値段が高いだけです。5,000円以上取られます。切るだけなのに、この価格です。でも素人が家庭にある工具で切ると旨くきれません。失敗画像はネットに色々あるので検索してみてください。その難しさを考えると5,000円は妥当かもしれません
私が紹介した工具は、Amazonで1万円程度で揃えられます。ショップに2回切断してもらう料金です。これが高いのか?安いのか?は個人の価値観によると思います。自分で揃えれば何回でも切れます。テーブルソーなら2㎜の切断も可能で細かい調整も出来ます。
結論
趣味だからお金も時間もかかる! それでいい。ロードバイクとゆっくり付き合う。