2025年7月時点の情報です。中国へ粉ミルクを送るには注意が必要です。
親族が夏休みの帰省に合わせ荷物を国際郵便で送付しました。その中に粉ミルクが含まれており中国側の税関で止められました。
その時の情報を共有いたします
生産場所が重要
税関(中国吉林省延吉)からの連絡によると、「生産場所が特定都道府県の粉ミルクは中国に輸入出来ない」との事。特定の都道府県とは以下となります
・福島、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉、東京、埼玉、長野、新潟
つまり、埼玉で生産されている「明治ほほえみ」は通りませんが、岐阜で生産されている「江崎グリコ アイクレオ」は通る事になります(2025年7月21日追記:後から送付した「江崎グリコ アイクレオ」3缶は無事に通過しています)
中国の税関は地域制や税関局員の個人差があります。同じ商品を同じ数送っても追加関税を請求が有ったり無かったりします。しかし、今回は商品の生産場所を理由としているので正規?な規制と思われます
郵送追跡
荷物は国際小包(航空便)で送付しています。追跡は下記です
- 2025/07/03 15:32 神奈川の郵便局より発送
- 2025/07/05 04:49 東京国際郵便局に到着
- 2025/07/05 04:50 東京国際郵便局から発送
- 2025/07/07 11:34 中国大連国際交換局に到着
- 2025/07/07 11:34 中国大連局で保留
- 2025/07/09 06:38 中国延吉税関検査のため税関へ提示
- 2025/07/11 07:31 中国延吉税税関から受領
- 2025/07/11 09:32 中国延吉局から発送
- 2025/07/11 12:54 配達局から出発
- 2025/07/11 14:23 お届け済み
荷物の指し止めは2025/7/9吉林省延吉の税関から連絡がありました。最終的に「明治ほほえみ」×3缶を廃棄し他の荷物は7月11日に配達されました
止められた理由
中国サイトも検索してみましたが、粉ミルクの輸入を規制する記事は発見出来ませんでした。ただし、関係する規制がいくつか見つかりました
- 2001年9月:日本で発生した牛海綿状脳症(BSE)により牛肉と未殺菌乳製品の輸入が禁止
- 2008年9月:中国の粉ミルク事件以降に粉ミルクの生産が厳しく管理される様事になった
- 2023年8月:福島原子力発電所の処理水海洋放出を理由に日本産水産物の輸入が全面的に禁止
- 2025年6月:日本産水産物輸入の全面禁止を特定都道府県だけに制限した
※:特定都道府県は、福島、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉、東京、埼玉、長野、新潟の10ヵ所
この規制の中で生産場所を指定しているのは4だけで今回指摘された都道府県も同じ事から、この規制が関係していることは間違いないと思われます。しかし、誰がどう見ても粉ミルクは水産物ではありません。税関員個人の勘違い説もあり得ますが、今回は受取人、送付人の両方から税関に電話にて確認しているのでミスや勘違いの可能性は低いと思われます。とすると考えられるのは、正式な規制に便乗して実施している規制です。つまり、4の規制を理由に「自分達に都合が悪い物の輸入を禁止している。または、自分達が欲しいものを取り上げている」ことです。税関から指摘された製品を廃棄をすれば他の商品は正しく送付されます。廃棄された商品の行方は税関職員が自由に出来る商品となります。理不尽ですが中国では良くあることの様です。今回の送付者も受取者も税関局員とは争う姿勢は見せず諦めていたので今回の事も「中国仕様」の様です
ただこの事象、他でも起こっている様で個人ではなく組織で実施されている可能性があります。とすると「なんらかの意図」があるように感じます。その意図について、ある中国人の方が仮説を立ててくれました
中国では粉ミルク1缶は250元から400元で販売されている。平均月収を6000元として日本の生活に当てはめると1缶10,000円から18,000円の高価な商品になる。(単純計算で400元÷6000元=6.7%、日本の平均手取り額270,000円の6.7%は18,000円)仮に生後6か月の乳児なら月に3~4缶も使う。日本円にして70,000円!庶民が必要な量を購入するには難しい金額となる。しかし粉ミルクは必需用品。親の食費を削っても購入する必要がある。つまり、生産者にとってはおいしい商品。中国では国内消費が低迷しデフレに向かっている昨今、この利益を他国に取られる分けにはいかない。また、この様な商品を生産している工場は中国共産党やその土地の権力者が関与している。彼らから見て日本から安くて安全な粉ミルクが入って来ることは害にしかならない。表立った規制が出来ないなら、色々な理由と規制を組み合わせれて制限する可能性は十分にある
仮説ではありますが、この意見を聞いて納得する自分がいました
中国の粉ミルク事件
中国の粉ミルクを語る上で2008年の事件を避けて通る事は出来ません。下記はwikiより
2008年中国では有害物質メラミンが混入した粉ミルクを飲み、多数の乳幼児が腎臓結石になったり死亡した事が報道されています。 中国国家品質監督検験検疫総局によれば、原料粉乳メーカー109社のうち22社の製品からメラミンが検出されたと報告されています。
当時の経緯は下記になります
- 検出された22社の中には大手企業もあり、一流ブランドでも高価格商品でも安全でない事が判明
- 在日中国人や業者が大量の粉ミルクを日本から中国へ輸出
- 日本で品不足が起きる。両国で規制が始まる
- 日本では「お一人様〇缶まで」の規制を実施
- 中国では飛行機持ち込み以外の輸入が全て禁止
- その後、個人利用に限り規制が解除される
中国政府は2008年以降、粉ミルクの製造について詳細に監視するようになったそうです。2008年の事件当時、私のチームは中国と関わる仕事が多く、多くのメンバーが中国を行き交っていました。事件は当時のメンバーにも影響し中国へ渡航する際にはお土産として粉ミルクを2缶運ぶ事が通例となっていました。現地の中国人に渡すと泣きながらお礼を言われました。冗談でも大げさでもなく泣きながらです。現地の人にとってはそれほど大きな事件でした。当時の人曰く「夜中に母乳が出なくて赤ちゃんが泣きだしても何も出来ない。でも今の中国のミルクは危なくて飲ませられない」。言葉で聞いても辛いですが、赤ちゃんを守るお母さんはにとっては身を切られる思いだと思います
中国を問わず他国でこの様な事件が起こる度に日本人で良かったと思います。勿論日本の全ての食べ物が安全な分けではありませんが、今の安全基準を守っていく事が大切だと思います
常に確認
中国の規制情報開示は普通の国?とは少々異なります。例えば日本では「〇月〇日よりルールが変更されます」と未来の事が記載されますが中国では、「〇月〇日よりルールが変更されました」と過去の表記になったりします。駆け込み需要を避ける為と思われますが利用者にとっては厳しい事です
粉ミルクについては禁止されている特定の都道府県の商品でも「飛行機の手荷物持ち込みは出来た」との情報もあり詳しい規制内容は不明ですが、常に最新の情報を取得する様心がける事が大切だと思います

