100ギアのラチェットハンドル

六角ボルト工具で代表的なソケットレンチ。ラチェットバンドルとソケットの2パーツで構成されています。規格も統一されどちらも色々なメーカから購入することが出来ます。メーカー毎に特徴があり有名メーカーの製品は驚くほど高額になります。ラチェットハンドルの性能を比較する指標の一つにギア数があります。2024年夏、高級工具として有名なSNAP-ONから100ギアのラチェットハンドルが発売されました。価格はなんと19,700円

ギア数とは、ラチェットハンドルが1回転するのに乗り越えるギア(溝)数の事です。一般的なギア数は36。360度÷36=10度となり、10度単位の動きになります。締める時ギアは固定されているのでどんな角度でも締められますが、戻す時はギアが嚙み合う10度単位でしか戻せません。このギアが100もあると360度÷100=3.6度。3.6度の倍数でギアが噛み合うためより細かい動作が出来ます。ギア数が多いと主に2つのメリットがあります

  1. ラチェットハンドルの振り幅を小さく出来る
  2. 遊び角が小さくなる

ボルト回りの作業エリアが狭くラチェットハンドルの振り幅が取れないことがあります。ギア数が多くなれば振り幅も小さく出来るため、狭いエリアで作業が出来る様になります。2の遊び角とは、手首の余分な動きの事です。例えば36ギアのラチェットハンドルを使って10度締めて1ギア戻る運動を繰り返す時、手首は正確に10度を制御出来ず10度以上20度未満の運動を繰り返します。この時の11度以上の余分な動きが遊び角です。100ギアでは、この遊び角が小さくなるため効率的に締められる様になります

しかし、どちらのメリットも私には必要の無い工具です

  • オートバイでは振り幅を気にするボルトは存在しない
  • そもそもボルトを緩める作業は年間数回で効率を求めていない
  • 沢山のボルトを外すときはインパクトを利用している

私にはKTCの36ギアで十分です。100ギアのラチェットハンドルを利用する意味はありません。でも、欲しい。見たら買ってしまう・・・・・・こうして工具は増えて行きます