高速道路を巡航速度で走る。アクセルを足で操作する自動車は疲労感も少ないですが、長時間運転するとクルーズコントロールが欲しくなります。オートバイのアクセルはスロットルを掴んで手首を捻る(ひねる)動きをします。この動作は想像以上に疲れます。特にキャブレター式のオートバイはスロットルも重く1時間も固定すれば手が痺れてきます。しかし古いオートバイにはクルーズコントロールはありません。そんな時に欲しくなるのが「スロットルクルーズアシスト」です。大層な名前が付いていますが自動車の様なインテリジェンス機能はありません。アシストです。サポートしてくれるだけです。今回はこのアイテムについて記載します
クルーズコントロールは危ない?
「オートバイのクルーズコントロールは危ない」との記事を見かけます。理由を調べると、利用中は緊張感が無くなる、咄嗟の判断が遅れる、オートバイは自動車より加速と減速の回数が多いから必要ない等の事が書かれています。色んな意味で間違っていると思います。詳しくは記載しませんが一度使って欲しいと思います。高速道路では役立つ機能です
クルーズコントロールの長所は集中力を他に向けられる事です。疲労がたまってくると周りへの注意が散漫になってきます。アクセル操作への意識が軽減することで疲労も抑えられ長時間安定した走行が出来る様になります。まだ使った事の無い方は是非一度利用して欲しいと思います
それぞれの特徴

① 洗濯バサミ型(つっぱり棒型)
スロットルの根本に洗濯バサミ(写真の中央パーツ)を取付ます。その状態から希望のスピードになった時、洗濯バサミをブレーキレバーに当たる位置まで倒します。手を放すとスロットルは戻ろうとしますが、洗濯バサはブレーキレバーにぶつかって戻ることが出来なくなり走行速度を保ちます。特徴は、安い、簡単、見た目が良くない事です
② バーエンド型
ハンドルエンドに取り付け、ネジを締め込むことでスロットルをセンター側に押し込み動かない様にします。特徴は、見た目が綺麗で違和感もありません。ただし加工が必要で取付られない車種もあります
③ 靴べら型
腕の重さを利用してスロットルを開ける方式です。小指球(母指球の逆)で靴べらを押してスロットルを開きます。スロットルは固定されませんが握力を使わないため手の負担が軽減されます。中型・大型バイクで利用している方を良く見かけます。特徴は、安価、見た目もスマート、ただし、間違って押すと事故に繋がります
④ レバー型

ハーレーダビッドソン用です。キャブレター式のハーレーダビッドソンには元々スロットルの根元にボルトが付いています(画像の赤丸部分)。このボルトは始動時の暖機運転を支援するものです。このボルトをレバー型に変更することで高速走行中にも操作出来る様になります。構造は簡単でレバーを捻るとネジが締め込まれスロットルを固定されます。取付には穴あけやタッピング作業が必要になるためDIYが苦手なかたはショップにお願いする事になります
特徴は、少々高価で(2020年頃は7000円)、見た目は良い、使い勝手も良い、DIYスキルが必要といったところです
お勧め
お勧めは「靴べら型」です
クルーズコントロールが嫌いな方の理由に「かってに速度が出る事への違和感」があると言われます。これは機能目的と矛盾していますが気持ちは良く分かります。運転にはハンドル、アクセル、ブレーキを使います。この中で絶えず操作しているのはアクセルです。高速道路を直進している時もアクセルだけは常に操作しています。操作しなければ止まってしまいます。つまり運転する=アクセルを操作する事です。アクセルを操作したいのです。そこで、靴べら型のスロットルアシストです。この商品、スロットル操作が常に必要です。捻る動作から靴べらを押す動作に替わりますが操作は常に必要です。つまり、違和感が発生しません。また腕の重さを利用して操作できるので疲労感もありません。十分な機能です。
この商品の短所は、意図せずに押してしまう事です。機能のONーOFF切替は出来ません。常にON状態です。一般道を走っている時にもこの機能を使わなければなりません。信号待ち、一旦停止、徐行が必要な時も常にこの機能を使用して走る必要があります。そんな時にちょっと手が滑って靴べらを押してしまうとオートバイは暴走します。慣れが必要なアイテムです
多くの方が利用している所を見ると、使っていけば慣れるものと思われます。私は普段レバー型を利用していて靴べら型の利用は短期間です。短期間の経験ではありますがこのアイテムは優秀だと思います